整形外科で治療が行われる部位はとても広い範囲に渡ります。主に骨、筋肉、末梢神経などの運動器を構成する組織の治療が行われます。つまり脊椎、脊髄、骨盤などの症状や傷の治療ということです。肩、肘、手などの上肢、股、膝、足、足の指など下肢も対象です。
また、整形外科では新生児や小児も診ます。このために行われる治療の内容は本当に多様です。治療だけでなく、患者さんのQOLを上げることもその目的です。QOLはQualityofLifeの略で、生活の質のことです。
運動器が痛んで歩けなかった人が治療によって歩けるようになれば、その人のQOLが大幅に向上するでしょう。整形外科で施される手術については、肩の腱板手術、頚髄症、腰部脊柱管狭窄症に対する除圧術、人工股関節・人工膝関節置換術などです。手根管症候群というものに対する開放術も施されます。これらの手術を受けたことによって、テニスやスキーなどのスポーツがまたできるようになったという選手も多いです。
さらにこれらの手術によって就労や就学ができない人のサポートもすることができます。高齢化社会において大変な問題となるものの1つに、骨粗鬆症や変形性膝関節症など、高齢の女性に多い症状があります。これらの症状の治療も整形外科で行われます。なお女性が担当することが多いです。
今後、社会の高齢化はますます進むことが予想されますから、整形外科が担う役目はより一層大きくなるでしょう。